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高度成長期以前の日本人の生活様式、さらには現在日本文化と見做されているものの多くが江戸期に生み出されたものだ。本書は江戸期に生まれ現代まで受け継がれてきた日本の文化を創造・供給する側ではなく、それを受取り・消費する人々の立場から論じたユニークな文化・社会史だ。各章がそれぞれ独立した読み物の形をとり、違った物産に焦点をあてているので、以下のような様々なテーマにわたって日本文化の起源を探り、政治・経済史が中心の本編ではわからなかった興味深い事実を読者に提供していく。
掘っ立て式から礎石式へと変わった住まい。
権力者向けの美術品から庶民の浮世絵へ。
文書によって統治されるようになった江戸時代は、書き言葉は全国ほぼ同じになり、読み書き・そろばん教育が普及する。
安芸・熊野の筆、大和・古梅園の墨、赤間石の硯、大津そろばんといった特産品が全国各地に生まれる。
真理・原理を探究するものを扱う商売として「物の本屋」略して「本屋」が誕生し、出版業、貸本屋が成立する。
調味料としての醤油と清酒の普及による和食の完成と外食産業の発展。
麻から木綿へと変わった衣装。
庶民の夢を演じる歌舞伎が大人気になり、地方でも村芝居が盛んになる。
伊勢神宮へのおかげ参りを交替で行うための伊勢講が全国各地に組織される。
ガイドブック(名所図会)を片手にした京都や江戸への観光旅行が盛んになる。
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